青のゆくる館
沖縄県座間味村 2021年
島の魅力を伝え、
想いが育まれる拠点の場をつくる。

慶良間諸島は那覇から西方に高速船で50分の所に位置する、世界屈指の透明度を有する海に囲まれた島々で、2014年に国立公園に指定されました。
慶良間諸島国立公園の利用と保全を推進するビジターセンターを新設するプロジェクトです。
ゆったりとした島時間に浸りながら、自然の魅力・住民の人柄に触れることのできる拠点づくりを目指しました。

物件名:青のゆくる館
事業主:環境省
場所:沖縄県座間味村
完成:2021年
用途:ビジターセンター
構造:RC造一部木造地上2階建(新築)
面積:493.60㎡
撮影:神宮巨樹

座間味島の玄関口である港の正面に立地。敷地北西に位置する、海の神様が祀られている「いびぬめー」の前は広場とし、建物は東側に配置。集落入口の交差点近くにあった休憩スペースをエントランス広場として再構成。集落景観を先導する瓦屋根のファサードデザインとし、地域との調和と補完を図りました。

建物の中央には、ケラマブルーの世界を直感的に感じてもらうことのできる展示を計画しました。12K360度映像による透明な海中の世界、大画面高解像度映像等による生きものの力強さ、地形地質の不思議、受け継がれる暮らしを表現し、さまざまな魅力への深い共感が、未来への保全継承を誘発するきっかけづくりになることを目指しました。

島の自然フィールドで充実した時間を過ごすことをサポートできるように飲み物を提供するカウンターを配置。将来、ビーチへ行くためのバス停が移設される予定で、フィールドへ行く前に必要な準備をすることのできる環境を整えました。

2階は港や多島海景観を望みながら、ゆっくりと過ごせる休憩スペース。沖縄在住の作家が丁寧につくり上げた織物やガラス照明にてリトリートな時間を演出しました。旅行者だけでなく住民にも居心地のよい場となり、施設が育っていくことを期待しています。