横山天空カフェテラス(横山展望台休憩所)
三重県志摩市 2018年
自然空間の特徴を生かした
居場所を創出する。

三重県志摩市はリアス式海岸の英虞湾を中心に、真珠やあおさの養殖が盛んで自然と暮らしが調和した景観が広がる町。その風景を一望できる横山展望台をゆっくり楽しむことができる質の高い展望空間にリニューアルするプロジェクトです。
その土地の持つ魅力を読み解き、自然の眺望をどう体感するかを第一に提案しました。

物件名:横山天空カフェテラス
(横山展望台休憩所)
事業主:環境省
場所:三重県志摩市
完成:2018年
用途:休憩所+売店
構造:木造地上2階建(新築)
面積:147㎡
園地設計:景域計画
上空写真:環境省中部地方環境事務所提供

建物を含めた全体計画では、眺望の中心軸、山の地形に合わせた視点場を再定義することで、それぞれの自然空間の特徴を生かした居場所を創出しました。
建物前に張り出したヒノキ舞台は、浮遊感と風景への近接により、自然景観との一体感を感じさせます。舞台を階段状に下げることで、山頂からの眺めは手すりの存在を感じさせません。

1階は細長い室内空間で、両面フルオープンとなるサッシ、屋外と連続した石仕上げの床、質感のあるベンチへの着席がゆったりと自然空間を感じさせます。

1階のインテリアは、英虞湾方向に下がった勾配天井、暗めの色彩計画とすることで、明るい屋外の景色を際立たせました。英虞湾の穏やかな海をイメージした天井左官塗り、自生の花をデザインした照明器具、三重県産のヒノキを使ったカウンターにより、地域性を考慮したテクスチャを表現しました。

2階は英虞湾から上がってくる涼風を感じながら、ゆっくり過ごせる空間としました。